F-2戦闘機をつくる《番外編2》ウェザリング&スミ入れ
創刊号、せっかくお安いんですし!
皆さんこんにちは!がっちです。
「F-2戦闘機をつくる」第2号の店頭発売が明日(直送定期購読を申し込まれている方は、あと1週間)に迫って来ましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今回はせっかく創刊号がお安く手に入る今だからこそ、思い切って2個買いして予備パーツを確保し、それを利用したウェザリング&スミ入れの実験をしてみたいと思います。
まずは溶剤耐性の確認
どのような塗料を使ってウェザリングやスミ入れをするにしても、外装パーツに施されている塗装の溶剤耐性がどうなっているのかを知っておかないと、場合によっては大惨事になってしまうので何よりも先に各溶剤に対する耐性を確認しておく必要があります。
今回耐性試験に使用するのは、比較的手に入りやすいラッカー系(Mr.カラー薄め液)、エナメル系(タミヤエナメル溶剤)、アルコール系(ガンダムマーカー消しペン)の3種類の溶剤です。
各溶剤を含ませた綿棒を、プラパーツ、金属パーツそれぞれのの塗膜に擦り付け、塗料が溶けるか否かを実験してみることにしました。
まずはラッカー系溶剤での実験。
写真はちょっとピンボケちゃってますが、綿棒に濃紺色が付着していることが確認出来るかと思います。これはプラパーツの濃紺色のものですが、水色部分は成型色のようで特に溶ける様子はありませんでした。また、金属パーツについては今回試した3種の溶剤全てで塗装が溶けなかったので、おそらくはウレタン系など別の特性を持った塗装なのではないかと思われます。(スミマセン、私はこっちの知識はてんでダメなので詳しい方がいらっしゃったら教えて下さい)
続いてエナメル系溶剤での実験です。
こちらはプラパーツ、金属パーツともに塗装の溶け出しは確認出来ませんでした。
最後はアルコール系溶剤での実験。
これが一番溶け出しが激しかったです。溶剤を含ませた綿棒でプラパーツの濃紺色をちょっと撫でただけで簡単に塗料が溶け出し、成型色の水色が露出してしまいました。
結論
結果として金属パーツの塗装はラッカー系・エナメル系・アルコール系いずれに対しても耐性があり、プラパーツについては濃紺色がラッカー系とアルコール系、特に後者に弱いようで、エナメル系には耐性があると言うことが分かりました。
また、タンポ印刷はプラパーツ・金属パーツ問わず、いずれの溶剤でも溶けたり崩れたりすることはありませんでした。
ウェザリングのテスト
実を言うと、テストを行うまでは「ラッカー系はダメでもアルコール系には耐えてくれるだろう」と根拠のない予想をしていて、もしそうならガンダムマーカー(リアルタッチマーカー)&ぼかしペンでパネルライン周辺のグラデーションを施してみたいみたいと思っていたのですが、その目論見は見事に打ち砕かれたのでした。
とは言え、どうせ一部の塗装が剥げてしまって実用に耐えない予備パーツですし、せっかくだからこのままイメージを確認する為にガンダムマーカー(リアルタッチマーカー)のグレー2でウェザリングの実験を敢行することにしました。
私の技量が低いのも相まってあまりキレイじゃないウェザリングになってしまったのと、パーツに当たる光量が均一じゃなくて見ずらい写真になってしまっていますが、左側が何もしていないパーツ、右側がリアルタッチマーカー(グレー2)でウェザリングを施したものです。なんとなく雰囲気は伝わるかと思います。
マーカーのインクがモールドにも入り込んでいて、図らずもスミ入れ効果も出ていますね。
ただし、プラパーツの濃紺色部分に重なっているモールドにリアルタッチマーカーでウェザリングを行うと塗装が溶けてしまうリスクが大きいので、あまり現実的とは言えないかも知れません。
スミ入れを検討してみる
では、スミ入れのみを行った場合にどうなるのか、落とせる範囲でリアルタッチマーカーのウェザリングを落として、改めてエナメル塗料(タミヤのスミ入れ塗料ブラック)を使ってスミ入れを行ってみたいと思います。
上側が何もしていないパーツ、下が全体のモールドにタミヤ スミ入れ塗料(ブラック)でスミ入れを行ったパーツです。
リアルタッチマーカーのウェザリングが少々残ってしまっていますが、スミ入れの効果はお分かり頂けるかと思います。全体的に締まりが出て良い感じになりましたね。
個人的にエナメル塗料によるスミ入れのみを行うのが一番効果的かつ低リスクで現実的であるように思えてきました。
水色と濃紺色の境目については、金属パーツはクラデーションが利いていますが、プラパーツ部分はクッキリとしたものになってしまっているので、技量に自信のある方は敢えてアルコール系溶剤でボカしてグラデーションにする…と言うことも可能なのではないかと思われます。
ただし、失敗したらやり直しが利かないので、十分に検討した上で自己責任でお願い致します。
そんなわけで、私は外装へのオリジナルアレンジとしてウェザリングは行わず、タミヤのスミ入れ塗料(ブラック)によるスミ入れのみ施して仕上げることにしました。
スミ入れについてはまた別の記事で解説しようと思っていますので、気になる方はそちらも楽しみにして頂ければと思います。
模型はひと手間掛けることでリアリティが増したり、オリジナリティを表現することが出来る素晴らしいものです。今回の記事が皆さんなりのオリジナルアレンジの一助になれば嬉しいです。
次回予告
次回も番外編として接着剤の紹介と解説をしたいと思っていますので、お楽しみに!