Gacchi’s WORKSHOP

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F-2戦闘機をつくる《番外編3》ドライバー&ビス

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予定変更

 皆さんこんにちは!がっちです。

 前回記事の「次回予告」でもお伝えしてさせて頂いたように今回は接着剤の紹介と解説をする予定だったのですが…。

 接着剤関連の良さそうなツールがありまして、そちらを記事にすべく数日前にネット通販で注文したのは良いものの未だに手元に届いていない状態で、完全に段取りをミスってしまいました。大変申し訳御座いません。

 とは言え、このままボーッと到着を待っているだけなのは時間が勿体ないので、今回は予定を変更して別の話題としてドライバーとビス(ネジ)についてお話したいと思います。

 記事の内容の性質上、今回はいつもにも増して写真より文章の方が多めになっていますが、「次号発売までの暇つぶし」のつもりで読んで頂けたら幸いです。

ドライバーとは

 ドライバーとは…言わずと知れた「ネジ回し」のことですね。もはや解説の必要もないくらい、どのご家庭でも1本はお持ちであるごく一般的な工具かと思います。

 「解説の必要もないくらい」とは言いましたが、ここでは一般的過ぎて案外知られていない基礎知識や、便利なテクニック、おすすめのドライバーをご紹介したいと思います。

 一般的に「ドライバー」の語源である英語の「screwdriver」は正しくはマイナスドライバーの呼び名になるそうで、プラスドライバーは英語で「Phillips screwdriver」と言うのだそうです。これは当初マイナスドライバーしか存在していなかったものを、後年アメリカのHenly.F.Phillipsさんがプラスドライバーを開発したところが由来しているのだそうです。

刃先の種類

 ドライバーの刃先で種類が異なります。
皆さんご存知の+(プラス)、-(マイナス)に加え、ソケットドライバー、ヘックスローブドライバーなど、マイナーなものもあったりします。

グリップや機構の種類

 グリップ(持ち手)や軸、ネジを回す機構によってドライバーには数多くの種類が存在します。

 グリップも軸も短くて小型のスタビードライバー、グリップの後端が大きく丸くて握りやすい電工(ボールグリップ)ドライバー、グリップが任意の一方向にだけ回転することで握り直しが不要なラチェットドライバー、グリップ後端への打撃を回転方向への力に変えて固着したビスを締める(緩める)ことが出来るインパクトドライバー、軸の貫通型・非貫通型、電動のドリルドライバーやインパクトドライバーなどなど、多岐に渡ります。

 「F-2戦闘機を作る」では特殊なドライバーは必要なく、ご自身の好みや使いやすさに合ったものをお選び頂ければ問題ないかと思います。

サイズ

 個人的にはこれが一番重要だと思っている刃先のサイズです。
 No.00→No.0→No.1→No.2→No.3("No.1”を"#1"や"1番"と表記する場合もあり)と表記された数字が大きくなるにつれ、刃先のサイズも大きくなります。「週刊 F-2戦闘機をつくる」で使用するのはNo.0サイズのプラスドライバーになりますので、そちらをお選び下さい。

ドライバーの選び方

 「週刊 F-2戦闘機をつくる」のようなパートワークマガジンで最大の敵は「ネジ舐め」と言っても過言ではありません。

 経験上、ネジを舐めてしまった時はどうやって舐めたネジを外そうか、正常なネジをどうやって手配しようかと言う問題が生じ、かなり大きな精神的ダメージを追う羽目になります。(私の性格の問題かも知れませんが…)

 パートワークマガジンのような商品の場合、ネジを舐めてしまった箇所によっては心が折れてしまい購読を中断し、それまでの時間や労力、経済的負担が無駄になってしまうなんてこともあるかも知れません。

 「適合するサイズのドライバーがないので、とりあえずは近いサイズのドライバーでいいや」と言うのが一番大きな「ネジ舐め」を起こす原因なのではないかと思っています。(実際、私がそうでした)
 ビスに対してドライバーのサイズが大きくても小さくても「ネジ舐め」の原因になってしまいます。きちんとビスに合ったサイズのドライバーを使うようにしましょう。

 また、ドライバーは使用頻度も高く、直接手に持って使う工具です。
 ご自身の手に合った回しやすいドライバーをお選び頂くのが一番良いと思うので、ホームセンターなどお近くにある方は、その手に握ってみてから選ぶと良いでしょう。

ドライバーの正しい使い方

 さて、ドライバーを使ってビスを締める(緩める)時の注意点なのですが、基本的に押す力7に対して回す力3で回すのが理想とされています。ネジの頭にある"+"もしくは"-"の溝にドライバーの刃先をしっかり押し込み、力を込めながら回すのです。

 この基本を知らないと、ついつい回す方に力を入れてしまいがち(私も昔はそうでした)ですが、重要なのは回す力よりも押し込む力の方なので、押し込む力が弱いとネジを舐めてしまうことがあるので注意して下さい。

 家具など大きなものを組み立てる際には両手を使ってドライバーの軸にも手を添えてブレないようにするのが理想なのだそうですが、模型の組み立てでは片手で部品を押さえる必要があるので、片手でもドライバーの軸がブレないよう意識しながら回すと良さそうです。

おすすめドライバーの紹介

 ここでは、「週刊 F-2戦闘機をつくる」で使用するのはNo.0サイズのプラスドライバーのうち、おすすめのものをご紹介したいと思います。

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3本目でようやく当たりを引いたドライバー。

 以前の記事『「週刊 航空自衛隊 F-2戦闘機をつくる」《創刊号》組立編』では、

 こちらの商品を紹介させて頂きましたが、この1本にたどり着くまでに私は同じVESSEL社製の以下の2本を試しました。

 最初にご紹介したドライバーと同じくVESSEL社製の「精密ドライバー TD-51+0」 です。
 こちらも作りとしては申し分ないのですが、手が大きめの私には全長97mmのドライバーは取り扱い難く、次に購入したのが…

 こちらもVESSEL社の「マイクロドライバー 9900 +0×100」です。
 グリップの長さは丁度良かったのですが、軸長が100mmと言うのが模型の組み立てには長すぎて使いづらかったのです。

 結果として軸長が丁度良く、グリップも程よい長さと太さである「メガドラ 細軸ドライバー No.910」に行き着いたと言う流れです。

 試したのがどれもVESSEL社製であるのは、最寄りのホームセンターで取り扱っているNo.0サイズのプラスドライバーはVESSEL社製のものばかりだったりしたのがその理由です。

あると便利なアイテム

マグネタイザー

 今回、「週刊 F-2戦闘機をつくる」の創刊号についてきたドライバーもそうだったのですが、ドライバーの刃先が磁気を帯びていてビスが落ちにくくなっていたかと思います。

 実はその磁気は後から付与(着磁)させたり、逆に磁気を除去(脱磁)させることが可能で、その時に使う器具が「マグネタイザー」と言う器具です。

 使い方は至って簡単。着磁させたい場合は「+」や「magnetizer」と書かれた側の穴にドライバーの先端を数回擦り付けるだけです。逆に脱磁させたい場合は「-」や「demagnetizer」と書かれた側の穴にドライバーの先端を着磁時と同じように数回擦り付ければOK。

 これを使えば磁化していないドライバーに着磁させたり、磁気を取りたいドライバーを脱磁させたりも出来ますし、磁気が弱まった際にも再着磁させることが可能なので結構重宝します。

ネジ頭補修材

 舐めてしまったネジを外す際に使う補修材もあったりするのですが…これは「あっ、今ちょっと舐めたかも?手遅れになる前に交換しよう」と、完全に舐める前に交換する時に使うためのもののようです。経験上、完全に舐めてしまってどうにもならなくなってから使っても全く効果は期待出来なかったので、あまり強くはオススメ出来ません。

 保険の為に手元においておくのもアリかと思いますが、何より大切なのは「そもそもネジを舐めないようにすること」なので、前述のドライバー選びと使い方が重要になるかと思います。

ビスの保管について

 「F-2戦闘機をつくる」のようなパートワークマガジンを続けて行くと、自然と増えていくのが予備や次号以降で使用するビスです。後半の号になるとビスの種類は20種類前後になることもあるので、余裕をもって24分割程度のパーツケースを用意しておくと良いかも知れません。

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ビスの保管に便利なパーツケース。APネジを「PA」と間違ってるのはご愛嬌。

 パーツケースを利用して、よりわかりやすくビスを整理しながら保管するために一手間加えてみましょう。まずは百均で手に入る以下のものを調達します。

  • お名前スタンプセット(アルファベット)小サイズ
  • スタンプ台
  • タックシール 最小サイズ

 タックシールにお名前スタンプセット&スタンプ台を使って「AP」などのビス名や「F-2」のようなシリーズ名のシールを作って、それぞれパーツケースのコマ内や上蓋に貼るだけで、物凄く使いやすいビスケースに変身します。是非お試しあれ。

次回予告

 今回は何だか商品紹介ばかりになってしまいましたが、少しは参考になりましたでしょうか?

 次回こそは、番外編として接着剤の紹介と解説をしたいと思っています(この記事を書いている最中に商品の発送通知が来ました)ので、お楽しみに!