Gacchi’s WORKSHOP

Let's create some fun.

F-2戦闘機をつくる《第7号》組立編

磨くぞキャノピー!

 皆さんこんにちは!がっちです。

 今回は第7号の組立をご紹介させて頂くつもりなのですが、その工程はキャノピーの組み付けが主軸となっています。なので、まずはその前にずっと先送りにしてきた工程「キャノピーパーツの磨き込み」をやってみたいと思います。

 私自身、クリアパーツの磨き込み作業に関しては経験が浅く(殆どやったことがありません)、先人の方々が遺して下さっているノウハウ情報を元に手探りでやって行く形になるかと思います。

 同じように「やったことがないけど、興味はあるのでこれを機に…」とお考えの方の一助になるよう、工程を出来るだけ詳しく記載してみましたのでよろしかったら参考にしてみて下さい。

 もちろん必須工程ではありませんので、「別にパーティングラインなんて気にならないよ!」と言う方は読み飛ばして下さってもOKです。

開封の儀

おなじみとなりました、使いまわし写真のパッケージです。

 4種しかない写真を使いまわしているだけなら、外観(パッケージ)を写真で紹介する必要があるのか?と言う疑問を抱かなくもないですね(笑)

第7号のパーツ構成

 「キャノピーを組み立てる」のお題目通り、今号では3つ目のキャノピーが付属し、航空機の顔たるキャノピーパーツが全て揃ったことになります。

今号で使用するツール

  • ヤスリ(神ヤス・スポンジヤスリ、タイラー)
  • タミヤ コンパウンド(細目・仕上げ目)
  • タミヤ コンパウンド用クロス
  • セガワ コーティングポリマー
  • セガワ スーパーポリッシングクロス
  • 中性洗剤
  • 洗面器
  • タオル
  • ニッパー
  • 瞬間接着剤
  • 万能接着剤
  • エポキシ接着剤
  • ミニ四駆 Fグリス
  • 筆(爪楊枝でも代用可)

 随分色んなツールを使用することになりましたが、半分以上キャノピーを磨くためのツールです。一から全てを買い揃えるとそれなりにお金も掛かってしまいますので、お財布の中身と相談しながらご自身で必要だと思えるものから少しずつ揃えて行くと良いでしょう。

ヤスリ類です。

コンパウンドとコーティング剤関係です。

組み立て

<公式組み立てガイド>

前準備

 今号でキャノピーウィンドウの3つのパーツが揃いましたので、今回の記事では第7号の組み立て工程よりも、その前準備となるこれらのパーツを磨き込んで行くことがメインとなるかと思います。

 実機のキャノピーにはパーティングライン*1は存在しませんので、よりリアリティを追求するためにはこれをヤスリ掛けをして消す必要があります。

 今回、キャノピーパーツにヤスリ掛けをする際は、中性洗剤を垂らした水にヤスリを浸して濡らした状態で削る「水研ぎ」と呼ばれる手法でやっていきます。こうすることで磨いた面がより滑らかになり、削りカスでヤスリの目が埋まったり摩擦熱で研磨効率が落ちたりすることを防いで効率的に作業を進める目的があります。

 まずは小さめの洗面器などパーツとヤスリを浸すことが出来るくらいの容器に水を張り、そこに中性洗剤を数滴垂らして混ぜておきましょう。

タオルなどを敷いておくと零した時に安心です。

 ヤスリ掛けの作業に入る前に、どこにパーティングラインが来ているのかをきちんと確認しておきましょう。

3パーツとも、結構目立つ位置にパーティングが来ています。

 写真の赤い線で書かれた部分にパーティングラインが来ているのが分かるかと思います。クリアパーツなので光の加減で見えたり見えなかったりしますが、指先や爪で触ってみると線状に盛り上がった箇所があることがわかるかと思います。それがパーティングラインです。

タイラーも神ヤスも基本的に水研ぎをして行きます。

 💬 Column

 ヤスリがけはタイラー(当て板付きヤスリ)でも神ヤス’(スポンジヤスリ)でも余計な力は入れずに、表面を撫でてやるような力加減で擦ってあげると良いでしょう。

 どれくらい擦ってればいいのか最初は加減がわからないかも知れませんが、慣れてくるとヤスリで擦る時の抵抗(引っ掛かり)がなくなったり、削れてるような音がしなくなるのが一つの目安かも知れません。慣れるまでは「ちょっと頑張り過ぎかな?」くらいでやめると良いでしょう。

タイラー#600で磨く

私はタイラーで全体を磨いてみました。ここまでやらなくてもOKです。

 600番*2のタイラーで3パーツとも全体を磨いてみました。

 一気にヤスリによる傷で真っ白に曇りましたね。この後の工程で本当に透明感を取り戻せるのか?と恐怖を感じる程です。

 やってみてわかったことなのですが、タイラー(当て板付きヤスリ)は平面を出すためのものなので、これを使って曲面のみで構成されたキャノピーパーツ全体を磨くことは逆に曲面が歪になってしまうのでオススメできません。
(実際、写真でも凸凹になってしまっているのがわかるかと思います)

 タイラーはパーティングラインにのみに掛けるのが理想だと思います。

神ヤス#600で磨く

 タイラーでパーティングラインの凸凹を消せたら、全体を均すために神ヤスリの600番で磨きます。(写真を取り忘れてしまいました…スミマセン)

 タイラーで出来た凸凹が消え、全体が均一に真っ白になりました。

神ヤス#800で磨く

神ヤス#800で磨いた状態

 ここからはひたすらヤスリの番手を上げて行って表面をなめらかにさせながら、ツヤと透明度を取り戻していきます。

 800番では若干曇り方がソフトになるくらいであまり変化は感じませんね。

神ヤス#1000で磨く

神ヤス#1000で磨いた状態

 更に曇り方が薄く、ソフトになって来ましたが、まだまだ「透けている」とは言い難い状態ですね。本当に透明に戻せるのでしょうか…。

スポンジヤスリ#1500で磨く

スポンジヤスリ#1500で磨いた状態。

 神ヤスが商品展開している番手は#1000の次は#2000になっており、その間の番手で更に1段階磨きたかったので、他社製の#1500を購入して使用してみました。

 特に問題なく曇りが和らいでほんの少しツヤが出てきました。

神ヤス#2000で磨く

神ヤス#2000で磨いた状態。

 #1500との差があまり感じられず、ちょっと不安になって来ました。

 このまま曇りがとれず、泣く泣くパーツを再購入する…なんてことだけは絶対に避けたい!頼むぞ、神ヤス!

神ヤス#4000で磨く

神ヤス#4000で磨いた状態。

 ツヤは#2000より増して来た気がしますが、曇り具合はあまり変わりません。

 これは…ヤバいかも知れない…何が悪かったのか?と気持ちが落ち込み始めます。

神ヤス#6000で磨く

神ヤス#6000で磨いた状態。

 おおぉぉ!?一気に曇りが取れたような…?

 これは…行けるのか!?

神ヤス#8000で磨く

神ヤス#8000で磨いた状態。

 みるみる透明度が戻って来て、安堵と感激とが入り混じった複雑な心境に。

 ようやく手応えが出てきました!

神ヤス#10000で磨く

神ヤス#10000で磨いた状態

 ほぼ「透明度を取り戻した」と言える状態になったのではないでしょうか。

 ヤスリ掛けはここまでで、ここからはコンパウンドによる磨き込みの工程に移ります。指紋を付けないように綿手袋を付けながら作業をすると良いでしょう

タミヤ コンパウンド(細目)で磨く

 タミヤコンパウンドには粗目・細目・仕上げ目の3種類がありますが、粗目は#2000程度、細目は#5000程度と言われており、神ヤスで#10000まで磨いてますので、今回は細目と仕上げ目のみで磨きたいと思います。

タミヤコンパウンド(細目)で磨いた状態。

 この際も力を入れすぎないよう注意しながら専用クロスにコンパウンドを適量出し、根気強く磨いて行きます。

 神ヤスで#10000まで磨いていますので、#5000準拠の細目コンパウンドではあまり効果は見られないのではないかと思っていましたが、予想に反して透明度が上がり、ツヤの差はハッキリ分かるほどの違いが出ました。

タミヤコンパウンド(仕上げ目)で磨く。

タミヤコンパウンド(仕上げ目)で磨いた状態。

 素晴らしいツヤと透明度です。

 もはやヤスリ掛け前の状態にまで戻ったと言えるのではないでしょうか。

セガワ コーティングポリマーを塗る

 ダメ押しでクリアパーツの艶出し用に定評のあるハセガワ コーティングポリマーを塗ります。コーティングポリマーをよく振って、別売りのスーパーポリッシングクロスに2、3的垂らしてクリアパーツに塗り込みます。

 乾いたらスーパーポリッシングクロスで乾拭きし、それを複数回行うことで相当なツヤが出るとのことです。

感動するほどのツヤが出ました!

 どうです?見違えるほどツヤが出たのではないでしょうか?

 これでようやく前準備が整いましたので、組み立てに入っていきましょう。

 今回はこれまで効率を重視して先送りにした過去の工程も消化して行こうと思います。

創刊号 工程2⃣-①~③ 前部アンテナの取り付け

 ランナーから「1-4 前部アンテナ(左)」、「1-5前部アンテナ(右)」を切り離し、本体パーツに瞬間接着剤*3で接着します。

 また、ランナーから前部アンテナの左右2パーツを一緒に切り離してしまうと、混同してしまうので、1つずつ切り離して接着するようにしましょう。

第2号 工程2⃣-④ 機種アンテナの取り付け

 本体側の5箇所の穴の裏側からエポキシ接着剤を流し込むように塗布して、「2-4 機種アンテナ」5パーツを接着します。

💬 Column
エポキシ接着剤は、A液とB液を混ぜて使う特殊な接着剤です。
混ぜてからは3分ほどで硬化が始まるので、使う分量だけ混ぜ、手早く塗布するようにしましょう。
また、はみ出た部分はエナメル溶剤で拭き取ることも出来ます。
第2号 工程2⃣-⑤ HUDの取り付け

 HUDパーツを「2-5 コクピットパーツ2」の穴に万能接着剤を使って接着します。

第2号 工程2⃣-⑨ 前部キャノピーの組み立て

 「2-2b キャノピーウィンドウ」を「2-2a キャノピーフレーム」にはめ込みます。

 この部分は珍しく外れにくいので、クリアパーツを汚すリスクを回避する為に接着しなくとも大丈夫だと思います。(個体差で外れやすかったら、エポキシ接着剤*4で適宜接着して下さい)

第3号 工程2⃣-② 中部キャノピーの組み立て

 「3-3b キャノピーウィンドウ」を「3-3a キャノピーフレーム」に接着します。

 この部分は前部キャノピーと違って、接着しないとポロリと取れてしまいますので、エポキシ接着剤で接着*5します。

第6号 工程5⃣ キャノピーを取り付ける

  この部分も接着しないと外れてしまいますので、エポキシ接着剤で接着*6します。

工程1⃣ キャノピーを組み立てる

工程①~②

 第3号で組み立てた中部キャノピーの軸部を「7-5 キャノピー可動部1」と「7-6 キャノピー可動部2」を使って上下で挟み込み、AMネジで締め付けます。

 この時、「7-6 キャノピー可動部2」のアーム部が斜め下に向くように気をつけて取り付けましょう。

工程③

 組み立てたキャノピーのアーム部の軸を本体側の軸受にセットします。

 この時、接触する軸と軸受部を第6号同様にグリスアップしておきましょう。

工程④~⑥

 ここは特に難しい工程はないので、組み立てガイドに記載のある通りに組み立てて行きましょう。

 (工程⑥の「!(注意事項)」で「パイロットシートは後で調整出来るように~」との記述がありますが、誤差範囲の調整しか出来ない構造になってる気がするのですが…何が言いたいんでしょうね)

工程⑦

 ここも前部キャノピーと同じく、接着しなくても外れることはなさそうです。

工程⑧

 ここも前部キャノピーと同じく外れやすくなっているので、本体側の穴にエポキシ接着剤を流し込むように塗布して接着してしまいましょう。

完成!

 そうして出来上がった第6号の完成状態がこちらです。

 これまで取り置きしていたパーツを全て取り付けることが出来たので、気分的にスッキリしましたね。

キャノピーが付いたことで、より一層航空機らしさが増しました。

 セクシーさすら感じるF-2の象徴的なキャノピーが付いたことで、戦闘機然として来ました。これからの作成が益々楽しみですね!

次回予告

 次回は、第7号の冊子の内容をご紹介したいと思います。

 ここまでの工程をこなすことで、機首部分の山場は超えたのでは?と言う感触です。しかし、まだまだ遅れが取り戻せていないので、時間の許す範囲でペースを早めて進めて行こうと思います。

*1:パーツの成形時に発生する金型の合わせ目の跡。

*2:この先、ヤスリについて「●●番」と言う表現が沢山出てきますが、これは「番手」と行ってヤスリの目の細かさを表す数字です。数字が大きいほど目が細かく滑らかにするものだと思って下さい。

*3:今後の工程でも期待を持つ時に力が加わる可能性があるので「アロンアルファ プロ用耐衝撃」など保持力の高い接着剤を使用することをお勧めします。

*4:強度が必要な箇所は万能接着剤ではなく、エポキシ接着剤の方が良いでしょう。

*5:キャノピーウィンドウを差し込むフレーム側の穴にエポキシ接着剤を塗り付ける程度で大丈夫かと思います。

*6:キャノピーフレームを差し込む本体側の穴にエポキシ接着剤を塗り付ける程度で大丈夫かと思います。