F-2戦闘機をつくる《番外編11》瞬間接着剤の関連用具について
- 瞬接にまつわるエトセトラ
- 怒涛のミサイルラッシュによるマグネット接着
- 現在の瞬着環境
- グルーアプリケーターがぁ!
- 代替品を探せ!
- 金属製じゃなくても良いと言う結論
- 実用テスト
- 更に瞬着用パレットも刷新してみました。
- 次回予告
瞬接にまつわるエトセトラ
皆さんこんにちは!がっちです。
今回は2023年4月以来、実に4ヶ月ぶりとなる久しぶりの番外編をお届けします。
模型界隈では「瞬着」の略称で親しまれる瞬間接着剤関連についてお話させて頂きたいと思っています。
接着剤そのものについては「F-2戦闘機をつくる《番外編4》接着剤について」にて既に紹介させて頂いていますが、今回は瞬間接着剤を使用するにあたって「これがあると便利」と言う周辺アイテムをアップデートしましたので、再度紹介させて頂きたくなった次第です。
怒涛のミサイルラッシュによるマグネット接着
まずは、なぜ周辺アイテムのアップデートをする必要が発生したのか、と言うところからお話しなければなりません。
本編たる「F-2戦闘機を作る 第65号」以降、延々とミサイルを作り続ける日々が続いていますが、ミサイルの組み立てに必ずついて回るのが…そう、マグネットの接着ですね。
現在の瞬着環境
組立ガイド中でも解説している通り、マグネットは力の加わる部分ですので、意図せずマグネットが外れてしまったり、それによってマグネットそのものを紛失することを防ぐために、私の組立工程におけるマグネット接着には「アロンアルファ プロ用耐衝撃」(以下、プロ用)を使用しています。
また、瞬着を塗る際には「番外編4」でも紹介させて頂いた通り、瞬着を塗布する際には100均一で購入したUVレジン用の型をパレット代わりに使い、クレオスの「グルーアプリケーター」を使用して点付けしていました。
グルーアプリケーターがぁ!
しかし、ここで一つ問題が出て来ました。
上の写真をよく見ると分かると思いますが、プロ用は恐るべき接着強度を誇る瞬着が故に、グルーアプリケーターの先端で固まった瞬着を剥がす度にグルーアプリケーターが少しずつ削れてしまい、こんな姿に…
最初は1cm以上あったハケ(細い部分)も、今や半分ほどの長さになってしまいました。このまま使用を続けると、どんどん削れて行って使い物にならなくなるのは目に見えています。余命宣告を受けている状態です。
代替品を探せ!
このまま、全く同じ商品を買い直しても良いのですが…この商品はスティックが3種セットになっているのですが、ぶっちゃけ一番細いものしか使わないんですよね。
そのために丸ごと1セット買い直すのは不経済と言うものです。
なので、グルーアプリケーターと同じような商品で、なにか良いものをないかと探してみることにしました。
第1候補:Wave HG カービングニードル HT253(¥550)
まずは第一候補として挙げたのが、WaveさんのHGカービングニードル。
そもそもの目的が耐久性なので、アルミ製の本商品はまず問題ありません。おまけに非磁性体のアルミ製なら、マグネットにも問題なく塗布出来るはずです。そして、何より安い!
早速購入して使用してみましょう。
結果は…アルミ製を謳っているのに、がっつりマグネットが吸い付いて使い物になりませんでした。あやうく事故るところでした。こいつは駄目だ!Waveさんの嘘つき!!
と思ってもう一度商品説明を見直してみたら…
アルミ製の「ウェーブ HG カービングニードル」。ニードル部分はスチール製。ピンバイスでの穴開けのアタリ取りなどの作業も対応可能。
Waveさんごめんなさい。私の見落としでした。(しかし、紛らわしい記述だと思ったり…)
どちらにせよ要件を満たさないのでNGです。
(そもそもアルミ製の針って、すぐ曲がっちゃうような耐久性に難ありになるよな、とこの時に気づきました)
金属製じゃなくても良いと言う結論
樹脂製アプリケーターの耐久性は、「プロ用」の接着強度に耐えられないと思い込んでいたのですが、これまた良く考えてみると固着した瞬着を力技で剥がそうとするからそうなるのであって、「瞬着をなんらかの薬品で溶かしながら剥がせばイケるのでは?」と言う発送から調べてみると、ありました。瞬間接着剤は「アロンアルフア はがし隊」で溶かせる、と。
で、「アロンアルフア はがし隊」の主成分を調べてみると「アセトン」であるのことと。そう、「番外編4」でも紹介させて頂いた、コレですね。
買っておいて良かったアセトン。頼むぞアセトン。
試しに適当に垂らした「プロ用」を固着させてからアセトンを垂らしてみると、きれいに剥がれました!
こうなれば勝ったも同然です!(何に?)樹脂製の代替品を探してみましょう!
第2候補:セリア 瞬間接着剤用ハケ 2P(¥110)
第3候補:ボークス 瞬着ぬりぬり君(¥330)
第2候補の「瞬間接着剤用ハケ 2P」と非常に似ている商品ですが、こちらは言わずと知れた模型メーカー「ボークス」が発売しているものになります。
セリアの商品と比べると、お値段は3倍(そもそも百均商品と値段を比べるのが間違い)ほど掛かりますが、手に入りやすさはこちらの方が数段上かと思います。
結論:
結論として、私は手に入りやすい「瞬着ぬりぬり君」を購入してみたのでした。
実用テスト
さて、実際に「瞬着ぬりぬり君」を試してみたところ、柔らかくしなやかな穂先が「グルーアプリケーター」よりも適度に瞬着を掬ってくれて、非常に使いやすかったです。
また、穂先に固着した瞬着を除去する際にアセトンを使用しても溶け出すこともなく、すんなり除去することが出来ました。
もう一本のスティックも、太すぎず細すぎず使い勝手が良さそうで、劣化時に買い直す際にも無駄がないのも大きな利点ですね。
更に瞬着用パレットも刷新してみました。
これまでUVレジン製のアクセ制作用のシリコン型を瞬着用のパレットに流用していたのですが、小さ過ぎて使い勝手が悪かったので、何かもっと使いやすいものはないかと百均をハシゴして探してみたら、ダイソーで良いものがありました。
こちらも同じくUVレジンクラフトグッズではあるのですが、こちらは「調色パレット」と言う商品で、程よい大きさと、スティックを置くための切り欠きがあるのが特徴です。
もちろん、アセトンを使っての瞬着剥がしをしても溶け出すこともありません。おまけに110円と言う低価格なのに、2枚入り!言うことなしですね。
次回予告
そんなわけで、今回は瞬着の関連用具についてお届け致しました。
次回は、第81号の組み立てをご紹介したいと思いますので、お楽しみに!