Gacchi’s WORKSHOP

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F-2戦闘機をつくる《番外編8》パーツ請求について

パーツをなくしたり、壊したりしたら…

 皆さんこんにちは!がっちです。

 前回の記事でめでたく(直送定期購読での)最新号に追いついたので、今回はその「大幅な遅れ」の原因となった第6号工程でのパーツ紛失と、そこからどうやって原状復帰を果たしたのか、その過程についてお話しさせて頂きたいと思います。

 結論から言ってしまうと「第6号 組立編-前編-」でも少し触れさせて頂いた通り、デアゴスティーニさんにパーツを請求して送って頂いた流れになるのですが、私と同じようにパーツを紛失したり、破損させた際に皆さんの手助けになればと思い、その手続きの流れと注意次項を記事にしておこうと思った次第です。

 その内容の性質上、今回の記事は文字が多めの構成になることを予めご了承下さい。

何が起きたのか?

 まず、話は第5号の組み立てにまで遡ります。

 第5号ではコクピット周辺の組み立てを行っており、紛失したパーツ「5-8 ディスプレイ画像3」もここで組み込むことになります。

今回紛失したパーツ。5mm四方にも満たない大きさしかありません。凶悪です。

 上の写真のように「5-8 ディスプレイ画像3」は物凄く小さなパーツで、カーペットの上などに落とした時点で、発見はまず絶望的になる代物なのですが、私はその小ささではなく組み立てる際の構造に対して問題を感じました。

 既に第5号を組み立てた方はおわかりになるかと思いますが、ディスプレイ画像パーツや、透明のモニターパーツは、ディスプレイベースの穴に対して上から差し入れる構造になっています。

問題の箇所は左下の一番小さなディスプレイ穴部分です。

 まずはディスプレイ画面を正面から見た写真ですが、4つあるディスプレイの穴のうち、問題の箇所は左下の一番小さな部分になります。この状態ではどこに問題があるのかわかりにくいですね。

 では、裏側から見てみましょう。

③のディスプレイ3だけ、蓋がされない状態になるのです。

 裏側からだともう少し分かりやすいかと思いますが、数字で示した4箇所のディスプレイ画面用の穴それぞれに画像パーツと透明のモニターパーツを2枚重ねで上から差し込む構造になっています。

 ①と②の穴は、この後メタルパーツ「2-5 コクピットパーツ2」で蓋がされ、④の部分は「5-5ディスプレイベース2 」を取り付けることで既に蓋がされています。

 しかし問題の③部分のみ蓋がされないままの状態なので、第6号の工程で機体部品に取り付ける際にコクピットブロックを逆さまにすると、必然的に上から差し込んでいるだけのディスプレイ3のパーツは外れてしまうことになるのです。

 そうですね、皆さんよくご存知の万有引力の法則です。
 こんな馬鹿な工程があって良いのか?と憤りすら感じます。

 「第5号 組立編」の最後では私も何となくイヤな予感がしていたのでマスキングテープによる養生を施していたのですが、流石にこれを外して組み立てる工程での事故までは防げませんでした。

対策を打っていても、組み立て工程での問題は防ぎようがありませんでした。

そして紛失へ…

 そうして第6号の組み立てにおいて、コクピットブロックを機体パーツに組み付けた時に事件は発覚したのでした。

見事なまでにモニター3のパーツを喪失し、奥の基盤が丸見えです。

 アルミホイルによる遮光&光量アップの工夫をして点灯テストをしてみると…ディスプレイベースの左下、モニター3の部分が妙に明るいことに気付きました。

 それもそのはずですよね。ディスプレイ画像と透明パーツが入っていないのですから。

 そこから一気に血の気が引いて「無くした!無くした!あんな小さいパーツが見つかるはずがない!」と半ばパニック状態で机上はもちろん床に這いつくばって部屋中を探しましたが当然見つかるわけもなく、「これはパーツ請求するしかない」と我に返ったのでした。

導かれしパーツたち

 ガンプラでは紛失・破損時にパーツ単位での請求(購入)が行えるサービスがあるので、デアゴスティーニさんの商品でもそれに準じたサービスあるに違いないと推察し、具体的にどうしたら良いのか調べてみることにしました。

①パーツ請求の方法

 公式サイトの「よくある質問」から「紛失」で検索を掛けてみると、ヒットなし。

 同様に「不良品」で検索すると、以下の2項目がヒットしました。

  ①届いた商品が不良品の場合や破損していた場合、どうしたらいいですか?

  ②商品の不足・不良について問合せしたい。

 何故同様の質問に対して2項目あるのかわかりませんが、①では電話による問い合わせ方法のみ、②では電話と公式サイトの「お問い合わせフォーム」を使った問い合わせ方法が記載されていました。

②問い合わせ

 「よくある質問」で辿り着いた問い合わせ先は不良品のためのもので、紛失時はどうしたら良いのかついぞわからず仕舞いでしたが、パーツに関する問い合わせであることには違いがないので、不良品時の窓口に問い合わせてみることにしました。

 そして私はこの時、②のページにて案内されている「お問い合わせフォーム」から問い合わせをしたのでした。そこでは…

  • モニター3用の「5-8 ディスプレイ画像」を紛失してしまったので再頒布頂きたい。
  • 当該パーツを組み付けるために削り込む必要があり必然的に外れやすくなった。
  • そもそも構造的に内部で外れやすいものであった。
  • 組み立て工程について見直す必要性を感じる。

 以上のことを記載し送信したところ、即日自動応答メールにて問い合わせを承ったことを知らせるメールが届いたのでした。

 そこには「尚、現在新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて営業時間を短縮させていただいており、回答に5営業日以上いただく場合がございます。予めご了承ください。お急ぎの場合は、お電話にてご連絡ください。」との記載があり、実際に回答を頂いたのが6営業日後(11日後)になったのでした。

デアゴスティーニさんからの回答

 デアゴスティーニさんからの回答メールに記載されていたことは以下の通りでした。

  • 本シリーズはパーツのみで販売を行っていない。
  • 原則組み立て中の破損・紛失については、バックナンバーを購入頂いている。
  • ただし、今回はご迷惑をお掛けしたので無償で手配する。
  • 問い合わせが込み合っており到着まで2週間程掛かる場合がある。

 今回は特別に無償にして頂いておいて何なのですが…

 ユーザー側のミスでの紛失であれば、有償で購入しなければならないことは十分分かるのですが、設計・開発費も含まれ、必要のない2冊目の冊子も付いてくるバックナンバーを丸っと買い直すしかないと言うのは、ちょっと納得出来ない気もします。

 全100号、総額20万円近くになるパートワークマガジンにおいて、パーツの紛失や破損は十分予想出来ることなので、もう少しユーザビリティを上げて頂いて、ある程度のパーツ単位で購入させてくれてもも罰はあたらないと思うのですが…。

④パーツ到着

 上記回答から5日後、早くも発送通知メールが届き、その翌日にはパーツが手元に届くことになったのでした。

 しかし、ここで更なる疑問が。

 問い合わせ時の回答で、「紛失時は基本的にバックナンバーで購入して頂く」としていながら、手元に届いたのはパーツが入ったブリスターパックのみ。バックナンバーではなかったのです。

 これってつまり、「ユーザー側のミスで紛失した時は冊子込みのフルパックを購入して頂くが、こちら(デアゴスティーニさん)側のミスの場合はパーツのみ送る」と言うことですよね。何でしょう…凄く納得出来ない対応です。

まとめ

 今回、パーツ請求を行ってみて覚えておいた方が良いと感じたことがいくつかあるので、後で同じ手続きをするかも知れない方々の為に情報をまとめておきたいと思います。

気をつけるべきこと

  1. 公式サイトの「お問い合わせフォーム」からではなく、電話で問い合わせた方が部品の到着までが早い。
  2. 不良品はともかく、自身による紛失や破損においてはバックナンバーを購入するしかない。

デアゴスティーニさんに思うこと

 本シリーズに関しては自衛隊に縁のある監修者を立てていて、冊子の記事執筆には活かされているのかも知れないですが、一番重要な模型の品質や再現度に関してはどう贔屓目に見ても氏の知識が反映されているように思えないので、どうせ監修者を付けるなら模型設計のプロをお雇いになられた方が良いと感じます。

(構造的にも品質的にも疑問符が点灯するレベルなので、可能なら模型のノウハウのある企業さんと手を組んで制作して頂きたいです)

 その上で、前述したサービス(ユーザビリティ)について、更に下記に関しても品質の向上を図られた方が良いかと考えます。

  1. 公式サイトにおける「よくある質問」の整合性が粗雑である。(「不良品」に関する質問が2項目あったり、「紛失」に関する情報がなかったりなど)
  2. 定期購読の申込みは公式サイトから行えるのに、解約は電話でしか受け付けない。(故意に解約しにくい状況を作っているのか、と思われても仕方がない)
  3. 本来出来るはずのパーツのみの送付を行わず、ユーザーに不利益を被らせるやり方に納得出来ない。
  4. あくまでユーザー側の落ち度の問題であり、管理コストの問題は理解するが、ユーザーが望まないパーツや冊子を再度買わせるのは時代に逆行する対応なのではないか。

次回予告

 なんだか恨み節の多い記事になってしまったような気がしますが、次回は気を取り直して第14号の組み立てをご紹介したいと思います。